色々やってみる日記

粘土フィギュアの製作ログ、うつや不安症の話、論文執筆やResearch Studentのあれこれについて。

2年ほど続いた昼夜逆転がようやく治ったときの話【概日リズム睡眠障害】【睡眠相後退症候群】

 

最初の2記事は猛虎弁で書きましたが、今日の記事は普通の日本語で書こうと思います。こちらが本日のお品書きです。

  

 

 

 

概要

私は5年ほど前にまず睡眠障害になり、その半年後に大うつになりました。

 

私の睡眠障害は主に2つ。概日リズム睡眠障害と呼ばれる「体の24時間サイクルがぶっ壊れ症」と、睡眠相後退症候群という「完全なる昼夜逆転」。この2つがデフォルトのコンディションで、それに加えて不眠と過眠。

 

睡眠相後退症候群は約2年半も続き、その間はほぼ毎日朝6:00〜9:00のどっかで入眠し、夕方5:00くらいに起きるという生活でした。最初の頃はまだうつではなかったので、昼間のアポイントメントなども多く。月に15日程度は昼間のイベントに徹夜状態で出かけ、用事が終わった夜8:00くらいにぶっ倒れるように入眠、ということをしているうちに、完全に体の24時間サイクルがぶっ壊れてしまった感じです。

 

 

睡眠障害のやばいところ (+ 日常生活でできる治療法)

太陽光に当たれない!

睡眠障害の弊害は書ききれないくらい多くあるんですが、一番問題なのは「太陽光に当たれないところ」。太陽光の力ってすごいんです。私がうつになった原因の一端にはこの太陽光に当たらなかったことが挙げられ、そしてうつ治療でまず一番に勧められたのが太陽光にたくさん当たることでした。 かかりつけの臨床心理士はこう言ってました。「うつも睡眠障害も貧乏人にやさしい病気。だって一番の薬である太陽は無料だからね!」

 

大原薬品工業:「けんこう名探偵」- ワン太郎が教える「健康のヒミツ」vol.1(2)-

 

このサイトの説明が簡潔なんですが、人体は太陽光を浴びることで日中はセロトニンを作り、夜間にメラトニンを分泌してくれます。セロトニンは心、感情、気分の安定のために不可欠な脳内の神経伝達物質で、最近は「しあわせホルモン」なんて呼ばれて有名。メラトニンは人体の24時間リズムを整えるのに不可欠で、夜の眠さと朝の起床を助けてくれます。私がうつと睡眠障害になって処方された薬は、まさにこの「メラトニン」と「セロトニン」。

 

つまり昼夜逆転で太陽光に当たらない生活、というのはとても危険なことなのです (と、いうのがわいの実感+個人でできる程度のリサーチで学んだこと。医療関係者じゃないので断定をするのははばかられるけれど、まぁ間違ってないんじゃなかろうか)。だから慣れない夜勤で体調を崩す人は多く、逆に夜勤慣れしている人は自分なりの24時間リズムキープするノウハウを持っていたりする。

 

睡眠障害の只中にいた頃の自分はマジでdespairを煮詰めてジャムにしたようなやるせなさでした😭。セロトニン足りてないからね。毎日泣いてたよ。

 

 

スーパーが開いてない!

私の一番近所のスーパーは午後8時に閉まるんですが、睡眠障害を極めているときは「起きたらスーパーが閉まっていて食べるものがない」という日が多々ありました。マジでバランスよくご飯を食べないと人間は潰れる(と、いうのがわいの実感+個人でできる程度のリサーチでry)。

 

食事バランス、というのは各個人の体質や信条にも寄ると思いますが、私の場合は「炭水化物、脂質、タンパク質」をバランスよく摂る、そしてお米やパスタだけでなく、お肉・卵・野菜もちゃんと摂取する。という感じです。あとバナナね!トリプトファンというセロトニン、メラトニン生成に必要な栄養素が含まれているらしい。バナナですぐ元気になるわけじゃないけど、お腹に溜まるしお手軽なので、家に常備しておいて損はない。

 

食事のバランスを知るためにとてもお役立ちだったサイトが「あすけんダイエット」。

www.asken.jp

(すでに登録されている食材名や商品名から) 朝・昼・夜の食事内容を選んで記録するだけで、どの栄養が過多で、何が不足だったのかグラフで教えてくれます。写真は実際のわいの栄養記録。有料会員の方が使える機能が多いんですが、私はずーっと無料会員です。この写真のお姉さんがアドバイスをくれるので、会話に飢えている人間はちょっと癒される。

 

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睡眠障害がれっきとした病気であることに気付けない!

私が昼夜逆転を自覚し始めたのは2014年10月くらいから。そして初めて病院に行ったのはちょうど1年経ってからでした。それも自分で思い立ったのではなく、周囲の人間が「あんたのそれは病院に行かなくちゃだめ!治療しなくちゃだめ!」と強く勧めてくれたから。

 

自分が昼夜逆転になっていることは「夜中にネットをしているから」とか「朝が起きられないから」とか、そういう怠惰の一種だと思っていた。でも今なら声を特大にして言えます。「睡眠に関する症状が2週間程度継続して現れているなら、病院に行った方がいい。もし2カ月続いているなら、絶対に病院にお行きなさい (愛の鞭 ビシバシッ)!!」

 

当時の自分は病院に行って何が変わるのか?と思っていて、実際に病院にかかっても1年程度は治りませんでした。言い換えれば、医者の手を借りても、風邪のようにすぐには治らないような病気ということです(すんなり治る人もいるかも。そういう人はマジでおめでとう!わいも一緒に祝うやで)。

 

でも医者にかかって病気だと認めることができたら、自分の気持ちはめちゃくちゃ楽になります。それまでは「なんて怠惰なんだ……自分は……」と思っていた症状を「なんてしつこい病気なんだ……睡眠障害やべぇぱねぇ……」とリフレーズすることができるのだから!

 

 

 

当時の手記

ここで、その当時に書いていた日記から睡眠障害の日常がどんな感じだったのか抜粋してみます。

 

根性を入れ替える、入れ替えると毎日唱えながらも、ぜんぜん入れ替わらない。そんな毎日。

普段は朝方の6時くらいには寝付けるのに、どうにも目が冴えて眠れず。5時間後に起きたらもう夕方近く。身体がだるくて仕方がない。今日を今週の休日にしても良いが、それはそれで不本意だ。せっかくならもっと休日を満喫したい。[…] でも、もお無理、と勉強しない決意をしたのが午前0時くらい。

金曜は帰宅後(夜の10時くらい?)すぐにベッドに入ったのだが、2時間程度で目が覚めてしまった。その後は明け方まで眠れず。起床は今日も昼の2時あたり。

起床は昼過ぎ2時前後。今日は3時半から大学で院生による研究会があったため、すぐに準備して大学へ出かけなくちゃいけなかった。今日は特に不安定で、複雑で、孤独な気持ちでいっぱいになって、帰宅後はすぐ寝た。

一服(タバコ休憩)は夜やるのが一番好きだ。静かで、今の季節だと虫の声がよく聞こえる。今日は満月だった。夜空にまん丸い月が浮かんでいる。曇り空がプロジェクターになって、その周辺もぼんやりと照らされてる。光は内側は白くて、外側に近づいていくほど黄色みが増していく。まるでミスドのオールドファッションの穴に満月が入っているようだ。目が離せなくて、一本をゆっくり吸った。大きくて厚い白い雲はぐるぐると狐のしっぽのように夜空を踊っている。ゴッホの星月夜みたいな夜だな。

やらなくちゃ、やらなくちゃと思っているのに、本当にベッドから動けず。自堕落だな、と自己嫌悪は募る一方。でも、どうしても動けない。ご飯も食べれたし、よく眠れたので、ただの甘えなのかなと思っていたけれど、ふっとこういうのが鬱状態なのかな、とも思ったり。脳みそ萎縮してんのかな、とか。本当のところ、どうなのかは分かんないんだけれど。

今日は朝7時に寝て、昼過ぎ2時45分に起床。シャワーを浴びて朝ご飯を食べて、夕方4時からOOOO関係のwriting。未だにローペースが続いていて、1日に1用事くらいしかできてない(1日1善みたいだな)。夜10時半に中断して、晩ご飯に五目チャーハンを作る。食事と食器洗い等が終わって、現在は午後11時45分。どれだけ遅く始めようが、深夜0時を回ったら勉強しようとは思わないんだよなあ……汗。今日は夕方5時半くらいから1時間弱、久しぶりに母とスカイプをしていたので、実際の勉強時間は5時間くらい。明日は午後からはOOOOの予定あり。先述の通り、何時に起きようが0時には勉強を中断してしまうので、昼型人間になろうと毎日必死。でもぜんぜん治んないの。今日は朝の4時くらいまでには寝たい……

OOOOが終わって以来、昼夜逆転がまた悪化している。僕にとっての悪化、というのは「1日の長さが定まらない」ということ。前日の就寝時間を超えてもまったく眠くならず、どのタイミングで1日を終えたらいいのかが分からない。例えば今日は、3時間睡眠で昼過ぎの3時に目が覚めた。冷蔵庫が空っぽなので、とりあえずスーパーにお買い物に出かける。今週のメインはサーモンにして、アボカドやカリフラワー等合いそうな野菜を買う。帰宅したら眠くなってしまって、夜7時から11時くらいまで寝る。ハウスメイトの「good night」という声で目が覚めて、とりあえず腹ごしらえ。サーモンとカリフラワーで豆乳クリームパスタを作って、勉強を始めたのが深夜2時。レポートには3つのセクションがあるんだけれど、それのOOOOのセクションを書き終えて、今から一番時間がかかる今週のOOOOのセクションに取りかかる。気持ち的には、午前10時くらいまでにレポートが終われば今日のノルマは達成って感じ。

 

 

はい。この当時の私に会えるなら……

 

 

思いっきりギューーーーーーって抱きしめて、そんなに頑張らんでも大丈夫!毎日好きなだけ寝れ!!買い物はわいが行っといたる!!勉強はいったんお休みしよう!!わいが病院連れてったるし、職場に連絡して折衝しといたるから!!!

 

って言うと思います。今読んでも心が痛む。

 

なんか夜中にタバコ吸ってる日記がありますが、睡眠障害だった頃は、夜にとても癒されていました。すでにうつになりかけだった自分にとって、昼間の喧騒、元気さ、生命力は「自分のやる気のなさ」を浮き彫りにするようで心に毒だった。毎日が自己嫌悪の日々で、夜というのは「こいつに親しんだら終わりやで」と「夜だけは心が安らぐ」の両義性を感じる存在でした。

 

これはうつの人にはあるあるらしい(昼間に活動できない罪悪感を和らげるだけに昼夜逆転が起こりやすくなる)。精神科医の泉谷閑示さん曰く、

 

これまで多くのケースを診てきて、一つ確実に言えることは、「昼夜逆転」が心理的な防衛反応の一つであるということです。考えてみれば当たり前のことなのですが、精神的に不調で自宅療養せざるを得ないクライアントにとって、世の中の人たちが仕事に従事したり、学校に行って学業に励んでいるような日中に、特にすることもなく気力もない状態で、漫然と家で過ごさなければならないのは、かなり精神的拷問に近いものなのです。活動的な世の中に人たちと動けない自分を比べてしまって、劣等感や罪責感に苦しめられてしまいやすいのです。ですから、そんなヒリヒリする日中の時間を、寝てやり過ごしたくなるのは実にもっともなことなのです。

 逆に、世の中の人たちが休んでいる夜中の時間は、そのような精神的苦痛を感じにくい穏やかな時間なので、かえって起きていたくなるのです。

「規則正しい生活」信仰を疑ってみる (3ページ目):日経ビジネス電子版

 

あ、ちなみに、たばこは課税率が高く一袋4000円もして家計を圧迫するので禁煙しました

 

治療までの道のり

私は現在異国のサムウェアー県に住んでいるので、そもそも病院の行き方をよく理解していなかった。周囲の人間に「病院行け!」と言われて初めて知ったんだけど、留学生向けの健康保険に入っていたので心配していた治療費は無料だったのです。

 

最初は大学付属の健康センターに行き、そこのじぃちゃん先生が「わいの手には負えんから、専門医にかかって」と紹介状を渡されました。サムウェアー県では専門医とのアポイントメントをとるのはめちゃくちゃ大変。私もようやく睡眠専門医に会えたのは、健康センターに行った3ヶ月後のことでした。

 

 

 

治療内容

結論から言うと、睡眠専門医との治療では私の睡眠障害は治らなかったのです。治ったのは精神科医に処方してもらった「ミルタザピン」という抗うつ薬を服用しはじめてから。最初の数週間めちゃくちゃ眠たくなる、めちゃくちゃ体重が増える、めちゃくちゃ悪夢をみる等の副作用がある薬ではありましたが、ミルタザピンで夜に眠り朝に起きられるようになった嬉しさたるや、本当に天井突破の嬉しさでした。この頃にはもう1年くらいの付き合いになっていた睡眠専門医にミルタザピンで睡眠障害が治った話をすると「それはよかった。そのお薬は (精神科系なので) 僕は少し専門外だから、あなたの精神科医が出してくれてよかったよ」と言っておられました。

 

では時間を巻き戻して、睡眠専門医に指導された内容をご紹介します。

 

まずは体内時計のサイクルを24時間に戻そう

治療で一番最初に指示されたのは、一日24時間という体内時計のサイクルを整えること。つまり、「睡眠相後退症候群」の治療を始める前に、まずは「概日リズム睡眠障害」を治しましょう、ということでした。

 

具体的には、「午前9時に寝て午後5時に起きるというスケジュールで構わないから、まずはそのスケジュールが定着するようにしましょう。このスケジュールを邪魔する日中の用事は入れないでください。用事は、午後か夜にずらしてもらうようにお願いして」という指示を受けました。これは実際にやって、ちょっとずつ体のぶっ壊れ感が治っていく感覚があったので、とても良かったと思う。後述の通り、メラトニンという薬の処方もあったので、24時間サイクルの定着は1ヶ月もすればだいぶ改善されていました。

 

24時間サイクルが固定されて同じ時間に起床・就寝ができるようになってきたら、次は「睡眠相後退症候群」を意識した治療がスタート。「1週間に15分ずつ、起きる時間を早くしていきましょう。今週は午後4時45分の起床を目指してください。それが定着したら、来週には目覚まし時計を午後4時30分にセットして」と指示されました。眠る時間をコントロールするよりも起きる時間をコントロールする方が簡単だからだそうです。

 

ただ、これは一進一退の攻防でした。絵に描いた餅のようには昼夜逆転は改善しなかった(私の場合は、すでにうつに片足を突っ込んでもいたから)。ただ、それでも ①昼夜逆転していても24時間サイクルを崩さないこと、②日光浴を意識すること、③睡眠日誌をつけることで、本当に心も体も頭もめーっちゃくちゃ改善はされていきました。

 

メラトニンの処方

睡眠専門医に処方された薬はメラトニン。これを寝る数時間前 (だったかな?ごめんちょっと覚えてない) に飲んでいました。私の理解する限り、メラトニンは非常にマイルドな薬。睡眠薬のように昏倒させることはできない一方で、実感できた効果として寝覚めがめちゃくちゃよくなった。こんなにすっきり目覚めたことは人生で一度もないぞ!?というくらいすっきり起きられました。ただ、このすっきり感は服用を続けるにつれて実感できなくなってしまいました。ちなみにメラトニンは月で4000円くらいしたので、抗うつ薬よりも圧倒的に高価だった……

 

朝いちばんのお散歩+ひなたぼっこ

「起きたらすぐに10分程度のお散歩にでかけてね」と言われました。これは先生ごめん、わい実行しぃひんかったんや……お散歩めんどくさくて……。代わりに、毎日起きてから2時間はひなたぼっこをしていました。毎日15:00〜17:00くらいまでかな。太陽光の下で朝ごはんを食べて、それから2時間みっちり趣味の本を読んでいました。まぁBL小説なんやけど。ひなたぼっこ生活は2ヶ月は欠かさずに続け、これも体のぶっ壊れ感が治っていく感覚があったのでオススメ。これが一番効果があったかもしれない。でもね、多分続けたのが良かったんだと思う。1日2日では効果が持続的な効果が出ないんじゃないかな〜って感じだから、ぜひ継続されたし。

 

睡眠日誌

私が使うよう勧められたのは多分こちら。「National Sleep Foundation」というアメリカの非営利団体が制作したもの。

https://www.sleepfoundation.org/sites/default/files/inline-files/SleepDiaryv6.pdf 

英語で申し訳ないですが、入眠時間・起床時間・寝る前に何をしていたか・日中のムード(気分)はどうだったか等を記入する欄があります。やはり治っているかどうかを把握するためには記録をつけ続けるしかないんですよね。数ヶ月に渡っての記録することで、自分の睡眠のパターンや睡眠前の行動への理解が深まった。ダイエットする人がグラフを見ることで「生理前が太るねんな〜」「飲みに行ったから太ってんな〜」と理解できるような感じ。これもオススメです。

 

 

おわりに

思い出せる限りの「私の睡眠障害記」について書いてみました。睡眠障害で悩んでいる方は、本当に病院に行く選択肢を考えてみてください。私も最初の健康センターのお医者さんはあてにならなくて、次の睡眠専門医にかかれるまで3ヶ月待たされました。だから「病院に行く」と一口に言っても「即解決!」というわけじゃないし、お金もかかるし……腰が重くなるのはよくよく分かります。それでも「病院にかかることなく睡眠障害を治す」のは、私にとってはMISSION INPOSSIBLEでした。

 

こうやって書く今も継続してミルタザピンを服用していますし、ミルタザピンなしで入眠時間を守るのは未だに難しいです。ひなたぼっこもできるだけ毎日を心がけ続けています。でも薬とひなたぼっこと食事バランスのおかげで、少なくとも4:00AM〜12:00PM睡眠のラインより後退しない状態をキープしています。

 

病院に行くほどじゃない・行きたくない・仕事等の都合でなかなか行けないという方は

  1. 24時間のサイクルを整える
  2. できるだけひなたで太陽光に当たる生活をする
  3. ご飯はバランスよく!
  4. 睡眠日誌をつけてみる

の4つを気が向いたら実践してみてくださいね。

 

睡眠障害を患ってるみんな、応援しているやで。一緒に治療がんばろうず!わいも健康に気をつけて、がんばりすぎない範囲で継続してみるよ。

 

応援してるやで!!いっしょにがんばろうず!