色々やってみる日記

粘土フィギュアの製作ログ、うつや不安症の話、論文執筆やResearch Studentのあれこれについて。

アクセプタンス アンド コミットメントセラピー(ACT)のやり方、PART4【マインドフルネス】

前書き

 

2019年、どうしようもない不安障害によって引きこもり状態になってしまって、なんとか自力で最初の一歩を踏み出すために、下に出てくるACT(アクセプタンス アンド コミットメント セラピー)ワークブックに取り組んでいました。以下のブログポストは、英語でそのワークブックをやりながら自分用に残していた「章の内容のまとめメモ」です。著作権侵害に当たらないように、かなり大きく削ったりまとめたりしています。ACTに関心がある方は、ぜひ原著にあたってみてください。

 

 

 

 

ワークブックの基本情報

使用中のワークブックはこちら

 

わたしの愛用のACTセラピー本。この要約は英語版のセカンドエディション(2016) を読んでまとめたものです*1。全世界で12万5千部を売り上げたワークブックだそうです。

 

この要約はだいたい10〜11章に当たる部分です。過去記事はこちら。

 

 

 

マインドフルネス瞑想のやり方と理念

 

マインドルフネス瞑想というのは特にここ10年くらいで欧米で大流行し始めた、基本的に非-宗教的な瞑想法のこと。日本では、GoogleやMicrosoftのような大企業が社員の生産性・集中力・ストレス軽減のために取り入れていることで有名になりました。マインドフルネス瞑想の効果には脳科学者も注目していて、継続することで脳の不安を感じる領域が小さくなる等の効果が認められている、そうでっせ*2

 

マインドフルネス瞑想のやり方

やることはだいたい以下の2つのどちらか。背筋を伸ばして骨盤を安定させ、目を閉じてから、

 

マインドフルネスでやること
  1. 自分の呼吸に集中して、自分の呼吸を注意深く観察する。 
  2. 自分の体に集中して、自分の身体感覚、または周囲の音・匂い・触感を注意深く観察する。

 

言うよりやってみる方がずっと簡単でわかりやすいから、やったことがない方はYoutubeで「マインドフルネス」を検索してみて、5分〜10分程度のガイド音声を試してみてね。最初は毎回音声を変えるのが良いと思います。いくつか聞いているうちに、自分の好みのものや、すべてに共通するエッセンスがわかるようになるはず。

 

英語だとわいがいつも使っているのはこちらのSmiling Mindというサイト。ガイド音声のプログラム数がとにかく豊富、BGMから何から全てが心地よく、子供向けのプログラムもあります。要ログイン。

 

【参照】Smiling Mind - Login 

 

Smiling Mindと違ってずっと簡素(BGM等なし)だけど、ガイドが素晴らしくて瞑想の調子が良いのがこちらのPeter Rennerさんのサイト。ログイン不要。

 

【参照】 Guided Meditations - HeartMind | Peter Renner

 

じゃーこっからワークブックっす!

 

 

 

マインドフルネスの4つの特性

マインドフルネス瞑想でやることは「呼吸に集中すること」や「体感、思考の流れていく様子を観察すること」。ここで気になるんが、なんで?って点やんな。それを説明して行くで!

 

マインドフルネス瞑想の核たる要素はだいたい以下の4つと言われとる。

 

1. 注意深く在ること。

わいらの頭の中は、常にいろんな思考で溢れている。過去のこと、未来のこと、周囲の人の気持ちを予想する思考、自分のことを責める思考。あんまりにも思考が忙しないから、こういう頭の状態をモンキーマインドと呼んだりする。モンキーマインドはわいらをめっちゃ疲れさすねん。思考で溢れかえった汚部屋みたいもんやから、スッキリせんやろ?

 

「呼吸や身体感覚だけにフォーカスする」という課題を与えてあげることは、頭の中をモンキーマインドから一点だけに集中させていくという働きがあるねん。

 

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2. 現在に在ること。

マインドフルネスにとって唯一存在する時間は、わいらが生きている「今この瞬間」だけ。呼吸がマインドフルネスにとって重要なのは、呼吸というのが常に今この瞬間に起こっているからや。呼吸・体の感覚・思考の流れみたいな「今この瞬間に起きている無数のこと」をフルに感じとることで(過去への後悔や未来への不安ではなく)現実の現在地点との接点をより密にしていく目的がある。

 

 

3. 意識的で在ること。

いくら意識的に体や呼吸に注目しても、雑念を完全に消し去ることはほぼ不可能に近い。マインドフルネス瞑想では、わいらのモンキーマインドがあちこちに飛び回り始めたときに「あ、今思考が飛んだな」とまず気付くことが大事になる。そして雑念がよぎるたびに、何度でも何度でも意識して注目を呼吸に戻していくんや。そういう意味でマインドフルネスは受動的ではなく能動的な行為と言える。

 

 

4. ジャッジしないこと。

これが4つの中で一番難しいタスクやと思うわ。わいらの頭では常に「良い・悪い」「間違ってる・正しい」「すべき・すべきじゃない」いうジャッジメントが起きている。呼吸するくらい自然に、わいらは眼前のリアリティをジャッジして生きているんや。

 

例えば君の目の前に美しいバラがある。わいらは普段このバラを見ながら、他の情報を引っ張り出して「良くないバラや、隣のバラに比べて小さい、匂いがキツい、小さいわりに値段が高いetc.」と比較しながら評価を下したりする。こういう「比較」と「外的なものさし」に基づいて物事を良し悪しで見るのがジャッジメントやんな。

 

対するマインドフルネスは、そういう「良いとか悪いとか」の批評は一旦脇に置いておく。目の前のバラをあるがままに観察して、あたかも初めてバラを見たかのような好奇心を持って、全ての特徴にアンテナを張ってみようというのがマインドフルネスの姿勢やねん。

 

瞑想中にも、わいらの頭のなかにはジャッジメントが流れ続ける。そんなときは「あ、今ジャッジした」ということに気付き、思考から距離を取り、注意を呼吸に戻せたらそれでOK。このときに思考をジャッジする必要はないねんで。よぎった思考がどんなものであれ、シンプルに「思考に気付けました、おおきに」っていう姿勢で、その思考が通ったという事実だけをそのままに受け止めて、呼吸に意識を戻していく。

 

マインドフルネスをすることによって、わいらは「頭の中で起きている現実のナレーション」から「現実で起きていることを、起きているままに」見る訓練をすることができる。現実をあるがままに受け止め始めると、今起きていることを細部まで注目できるような心のゆとりが生まれてくる=結果として「今、自分にできる選択肢」がよう見えるようになるんや。

 

 

 

大切なのは「あるがままの自分と現実」を受け入れること

大事な姿勢(1)水の呼吸

チベット仏教(ダライ・ラマでよく知られる)の僧侶さんが、アメリカの大学に呼ばれて「脳波を測った状態でおどかされる」という実験をしたんやって。おどかされた僧侶さんの脳波は、訓練をしていない人と比べて極めて乱れが少なかったそうや*3。これは僧侶さんが常日頃から「差し出された現実の全てを、慈悲の心を持ってあるがままに受け止める」訓練を積み続けた結果と言われている。

 

マインドフルネスにとって大切なのはジャッジする心じゃなくて、水のように柔らかく、優しく、柔軟に、慈しみと、子供のような好奇心を持って、この瞬間に起こっていることに気付き、受け止めていく心やねん。

 

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瞑想する前に「水の呼吸」と唱えてもいいかも。

 

そんな柔らかさ、柔軟さ、慈しみを持って、今この瞬間に差し出された現実の全てに対してオープンで在ること。これがマインドフルネスの目指すものやとわいは思う。

 

大事な姿勢(2)オブザーバーという自分

君は自分っていう存在をどう定義する?自分っていうのは、自分の感情?思考?経験?ACTでは、自分っていうのは「自分という器の内部で起きた全てを観察している存在」と定義したりする。 

 

これはお空みたいなもんや。思考や感情は、自分という大きな空のなかで起きているお天気みたいなもん。お天気は常に変わっていて、大雪や雷の日もある。けど、天気がお空を傷つけて切り裂いて破壊してしまうことは絶対にない。どんなに天気が荒れていても、空にはすべてを受け止める十分なスペースがある。

 

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自分の心と体にせり上がってくる不快感や不安、恐怖心も同じや。コンパッション、優しさ、子供のような好奇心、オープンマインド(通称:水の呼吸)を持って、あるがままを穏やかに見つめることは可能なんや。

 

空が天気をジャッジせえへんように、ただあなたという大きな器の中に生じた感情をよく見てあげるとええで。

 
自分の弱さ、欠点をすべて受け入れる

マインドフルアクセプタンスを、「WAF(心配、不安、恐怖)から逃れられる・乗り越えるための新しい金のショベルや!」と思っているうちは、同じ轍を踏むだけやねん。「今の自分から抜け出したい」っていう要望は、今の自分を受け入れていないことの裏返し。それはマインドフルアクセプタンスとはちゃうから。

 

「一生快だけに留まっていたい」という願い、執着を手放す必要がある。なんでかっていうと、一生快だけしか起こらん人生にするのは不可能やからや(365日晴れてないのと一緒やね)。同じように「不快だけが永遠に続く」っていう考えも間違ってるから手放してええ。自分という人生の、自分という大空に訪れる全てのものに心を開け広げて受け止める必要があるんや。快も不快も、全部や。

 

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どっちも自分。

 

自分に聞いてみて。「わいのなかに、わいをあるがままに受け入れるだけの器が、スペースがあるやろか?」って。もしないなら、「何がありのままのわいでいることを防いでるんやろか?」と聞いてみて欲しい。ネガティブな感情が湧き上がったとき、「その感情のための場所を自分の中に作れるか」考えてみてほしいねん。

 

 

 

*1:原題は『The Mindfulness & Acceptance Workbook for Anxiety:A Guide to Breaking Free from Anxiety, Phobias & Worry Using Acceptance & Commitment Therapy』

*2:恐れや不安、イライラを感じにくい状態をつくるために有効な3分間の「マインドフルネス瞑想」 | ライフハッカー[日本版] and 脳の構造を変える! マインドフルネスって何?:日経ビジネス電子版

*3:出典を明確に覚えてないけど、多分マチウ・リカールのTedTalkか書籍に出てきた。