色々やってみる日記

粘土フィギュアの製作ログ、うつや不安症の話、論文執筆やResearch Studentのあれこれについて。

9ヶ月ぶりに暴露療法をやってみた記録 ①メールから情報取得編【不安障害の治療・ACTセラピー】

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MISSION:一週間前、母に「12月28日までに一度メールをチェックする」と約束した。特定の情報を含んだメールを探し出し、その情報を母上に伝エヨ!

 

今回の記事は、私がこのミッションをどう行ったかの詳細な記録です。不安障害でメールボックスを9ヶ月間開けなかったことを念頭に置いていただけると、このミッションがわいにとってどれほど難しかったか少し伝わるかもしれません。

 

 

 

 

使用しているACTセラピーの本

以下に何度も出てくる「ACTの本」というのはこちら。アクセプタンスアンドコミットメントセラピーというのは、不安障害の治療方法のひとつ。

 

 

※ わいの不安障害については、この辺の記事で話しています。

【参照】「不安」と「うつ」は分けて考えた方が良いと思う、その理由について。 - 色々やってみる日記

【参照】2019年の自分を手放しで褒めることにした。 - 色々やってみる日記

 

27日

日中+夜は勉強だけに集中。てっぺんを超えたくらいから、明日の心配をし始める〔※補足:明日メールチェックするんだ、という気持ちだけで、前日から死にそうに不安になっている〕。なんだか気づいたことがある。私は自分のことはパニック障害・パニック発作持ちだとは思っていない。うつのときも「これがうつか?いや、うつという病名を利用しようとしているだけか?」を悩んだ時期がたっぷり半年はあった。自分が何かしら不安障害なのはわかっている(し精神科医にも否定されたことはない)けれど、パニック発作とは違うと思っていた。でも思い返せば、メールをチェックする瞬間はいつもパニックになっていた。チェックすることを考える時もパニックになっていた。心拍数がびっくりするくらい早くなり、息があがって興奮している犬みたいになって、手足が震えまくって、頭が真っ白になって、卒倒しそうになる。メールチェックが怖い理由のひとつには確実に「あの嫌な感じを経験したくない!」という気持ちがあったことに、今日ようやく気付いた気がする。

 

それでもそこそこ落ち着いているのはACTのおかげ。自分は不安を感じられるキャパシティがある。パニックになったら逃げないでそこに居座る。身体的な反応を優しく観察する。不安という乗客が乗り込んできても、ドライバーシートは譲らない。この1ヶ月ほど、今までだったら避けたくなっていた軽度の不安トリガー(ニュースだったりインターネットバンキングの画面だったり)をむしろ直視して、不安反応を見つめる訓練を積んできたのも良かったみたい。

 

 

 

28日

6:30AMまで寝付けず、7時間睡眠で1:30PMまで寝れば良いかと目覚ましを設定。一度目が覚めて、時計をみるとまだ9時。たっぷり寝た気がしたのにな?もう一度目を閉じて、たっぷり寝て起きると10:30。もう一度、11:40。もう一度、12:30。もう十分寝たような気がしたので、予定より1時間早いが起きることにした。〔※補足:今日メールチェックするんだ、という気持ちだけで、不眠になっている〕

 

調子は悪くない。もしかしたら悪いものが届いているかも、と少しだけ気持ちを準備させておく。信じ込むわけじゃなく、プールで心臓に水をぱちゃぱちゃかけるレベルの練習。さすがにもう逃げられないことを理解しているから、心のどこかにこのメールの確認ができることを喜んで待ちわびている自分もいる。当然、その真後ろにべったりと不安で飛び出したい自分もいる。

 

今日の目標のタイムリミットまで1時間半に迫る頃。手帳を開いて、新しいページに以下を書き込み始めた。

 

  1. 今日の目的:メールをチェックして、探している情報を確認できたらそれを書き込む欄を作った。
  2. どんな不安がよぎったか:「もしかしたら〜かもしれない」という予期不安が3つ出てきた。
  3. どういう前提条件が成立すればメールがチェックできるか:考えた結果、「内容がどうであれ、メールチェックした!という喜び自体が、怖いメールが届いていることの不安を上回ればチェックできる」と書いた。

 

それからACTワークブックの15章と16章を読み始めた。実際にエクスポージャーをする上で、一番プラクティカルな心の持ちようを書いているのがこの辺だと思ったから。そして片手間に、今年の4月から連絡をとっていない親友に手紙を書き始めた。高校からの付き合いで、15年前からよくこんな風にルーズリーフに分厚い手紙を書いてやりとりした。昔大切にしていたvalueが少し流れ込んでくるような気持ち。

 

あと30分でタイムリミット。気持ちは落ち着いているけれど、まだ行動が伴わない。

 

あと15分。実際にやることが頭をよぎり始める。バッと勢いで済ませてしまいたい気持ちと、ゆっくり受け入れるほうがいいんじゃないかという気持ち。呼吸が重くなってきた。肺に行く空気が濁っているような感覚。胃が収縮している。なんかお腹空いた?手先が震え始めている、少し冷たくなっている。タイプする自分の指先の感覚がゴムのよう。

 

あと10分。16章を読み終わる。

 

意を決して、探している情報が書いているかもしれない手帳を手にする。手帳に書いていなければもう一台のパソコンを調べる。もう一台のパソコンに書いていなければメールをチェックする。

  

手帳を手にした瞬間に呼吸に乱れ。短くなりそうなのを意識的に穏やかなペースにする。頭に何かが流れ込んでくるようなイメージ。何か真っ白の麻酔のようなもの。少し、脳が圧迫されるような感覚(ストレスかな)。手帳に手をかける。できるだけゆっくりやろうと思う。何かを期待して開くか?いや、現実だけを見よう。いい方の期待も悪い方の期待もしないでおこう。私の脳内の願望と体外の現実は別物だから。太ももに触れた手のひらがめちゃくちゃ冷たくなっている。足の裏もめちゃくちゃ冷たくなっている。

 

あ、予想に反して手帳に情報なかった!用心深くなかったんだなぁ過去の自分。では次パソコン。一度やったからか、このまま続きで行けそう。ゆっくり、呼吸ゆっくり。うん、やはり新しい方のパソコンにもない。古い方はどうだ?心臓がどっどっどっどと脈打っているのがよくわかる。探しながら、「現実に蓋をするってこういうこと?」と思う。だってこのパソコンはずっとわいの隣にあったし、365日触り続けていたし、[...]

 

タイムリミット、母と姉とスカイプの時間。あと1ヶ月分も日にちを遡れば2018年4月のデータだったけど、日和った。母と姉には経緯を説明。多分、勢いで見るよりも一人でペースを作って見るのが良いと思う。言い訳かもしれないが。暴露療法の続きは明日に引き続き。夜は完全な開放感。明日ほんとうにやれるだろうか。でもやってみよう。やる。やろう。

 

29日

明けて翌日。完全に気持ちが賢者モード。あぁ?今日こいつやる気ねぇな?って感じ。Morning and Afternoon をぐだぐだ過ごして、Eveningになってようやく少しだけ勉強。エクスポージャーは、何時になるかわからないけど絶対に今日も少しやる。多分、あのくらいのプレッシャーを継続してかけ続けるから「慣れる」という境地に達するんだと思う。どうせなら、不安トリガーだけどいわゆる『暴露療法の階段』の下の方にある「Facebookをチェックする」という項目もやり始めてもいいかもしれない。

 

もうすぐ日付変わる。うううううううできる気がしない涙。明日は絶対やる。明日の6:00を再びデッドラインとする。絶対に6:00までにメールをすること。絶対にだ。6:00だ。動かないぞ、これは動かせないぞ。待っているぞ、あの人がそのメールが届くのを待っているぞ。だから、絶対に6:00までだぞ。

 

 

 

30日

 

31日

現在10:36PM〔※補足:今日メールチェックするんだ、という予定で朝から頭がいっぱい。苦悶しているうちに気付けば夜になっていた〕。2019のうちにチェックする。10:00からACT本の18章読んでる。勢いでみるならできそうだけど、できるだけゆっくりマインドフルにと思うと二の足を踏んでしまう。ほぁ, ACTの18章めちゃくちゃ良い内容だった。びっくりした。早くまとめたくなった。

 

手帳にエクササイズの答えを書きなぐる。

Love yourself, no matter what. Always be on your side. Earning money is not difficult. Be caurageous and do what you want to do. Don't fear rejection before you were rejected. When you are stuck, let other people solve your problems.

 

短いから20章だけ読んだら……

 

11:11。実際にチェックすることをすごく念頭に入れ始めたら、不安なwhat ifが出て来た。探しても情報が見つからなかったらどうしよう?それでパニックになったらどうしよう?11:15、しなくちゃいけないことじゃなくて「もし相手から拒否されたとしてもやりたいこと」を4つリストアップした。11:18花火の音がするけど姿は見えず。綺麗な三日月の写真をとる。

 

11:22、古い方のパソコンを膝に置く。落ち着く。深呼吸。まずはここに情報があるかチェックする。ざっと概観して出て来ない。ワードをタイプ。まだ出て来ない。ここにはないのかも。自分の心の準備があまりできていない。勢いではしたくない。少し落ち着いて。

 

11:29、今日中にやる。少し卑怯な手を使っても、絶対に今日中にやる。そしたらせめて2019年にこれはひとつできたよ、勇気を出せたよって思えるから。

  

11:34、PC内になかった。出て来なかった。つまり、最終的にメールをチェックしなくちゃ情報が出て来ないと言うことだ。探しているメールのタイトルは「」だ。それだけ分かった。類似のドキュメントが4つほどあって開いたけど、その度に心臓が跳ね上がった。一番大切な情報が書いてある部分は怖くて見られなかった。

 

11:35、とりあえずメールを開いてみる。見ないけど、開くだけ。もう開いてる。メールを開くのなんか、こんなに簡単なんだ。タブにいてるけど見られる気がしない。心臓がばくばくしている。手先が冷たい。呼吸が荒い。少しだけ落ち着かせてくれ。死にそうだ。見たら死ぬ気がする。あり得ないのは分かっているけど、そんな気がするんだ。「WAFがどれだけ怖くても、それは空想上のものだから本当にあなたを殺すことはできないんだよ」と言うACT本の言葉が蘇る。

 

11:40、そうだ、この嫌な気持ちもバスに乗せたまま前に進むんだった。嫌な気持ちのための場所をわざわざ空けてあげるんだった。ショックなニュースが来てたらどうしよう。っていうか、ショックなニュースってなんだ?予想を大きく上回るものだ。その可能性だってなくはないだろう。かと言って、それも現実だ。いつまでも逃げ続けられるわけじゃない。奇跡にかけてチェックするのか?必要に迫られてチェックするのか?確かに必要に迫られているけどそうじゃなくて、一歩踏み出すためにチェックするんじゃないか。とにかく避けるのが、逃げるのが、勇気が出ないのが辛かったんだろ?じゃあ勇気が出せた時点でvaluable actionなんじゃないか?

 

11:45、チェックできた。予想していたよりだいぶ良い結果だった。もちろんこれで全てが解決するわけじゃないが、一歩踏み出した。今日の一歩だ。アドレナリンが回るかと思ったけど、案外落ち着いている。結果がよかったからだと思う。なんとかチェックできたので、母と姉にskype連絡。

 

年越しは家の前で花火の音を聞きながら(例年は花火も見えたのに、今年は音しか聞こえず)、「怖かった、怖がった〜〜〜」と号泣して過ごした。