色々やってみる日記

粘土フィギュアの製作ログ、うつや不安症の話、論文執筆やResearch Studentのあれこれについて。

9ヶ月ぶりに暴露療法をやってみた記録 ② Facebook編 【不安障害の治療・ACTセラピー】

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MISSION:9ヶ月間開けなかったFacebookをチェックセヨ!

 

 

 

 

使用しているACTセラピーの本

以下に何度も出てくる「ACTの本」というのはこちら。アクセプタンスアンドコミットメントセラピーというのは、不安障害の治療方法のひとつ。

 

 

前回のチャレンジ

【参照】9ヶ月ぶりに暴露療法をやってみた記録 ①【不安障害の治療・ACTセラピー】 - 色々やってみる日記

 

3日

数日前にconyacという在宅翻訳アルバイトをしようかと思い立った*1。登録段階でfacebook認証があって、そのために一度だけfacebookに入った〔※補足:facebookもこの9ヶ月チェックできていない。悪いものが届いている、他人の成功に焦るかもしれない、指導教官からDMがあるかもという恐怖感〕

 

息を止めて、できるだけ何も見ないで、認証だけをするためにーーーーーーーポチ。ハッ……開いた(ヒェェェェェ!!!!!)。できるだけ何も見ないように目をそらしたが、それでも情報は目に入ってしまうもの。DMが6通ほど来ているのが確認できた。次のエクスポージャーのターゲットはfacebookチェックにしようと思う。

 

私には某所に第二の家族と慕っているホストファミリーがいて、そのお父さんがぼちぼち75歳くらい。facebookを見られない間に一番不安だったのは、お父さんに何か体調不良や不幸があったらどうしよう、ということだった。

 

4日

6:10PM。母とskypeをしながら、三が日の間にメールチェックができなかったことを責められる。私を心配して、やきもきしてお尻を叩いているのは重々承知しているが、こちらの辛さも理解してほしいと願ってしまう。

 

罪悪感からとっさに「でもfacebookはチェックできたんだよ、それだけでも大きな進歩だったんだよ」という苦し紛れの嘘をついた。そしてskypeを繋いだまま、片手間に本当にfacebookをチェックした。31日にメールをチェックしたときと違って、エクスポージャーの難しさが5段階くらい低く感じた。31日に一度前例を作ったからだろうか?それとも、メールに比べてfacebookは暴露療法の階段の比較的イージーステップという位置づけだからか。勢いで開けてしまったけど、パニックは起きなかった。身体反応ほとんどなし。

 

母と会話をしながら、すい、すいとタイムラインを遡っていく。チェコ人の友人が着物を来て、演歌歌手のポスターみたいに派手なお年賀の挨拶をあげている。すぐに指導教官のポストが出てくる。facebookがチェックできなくなった理由は、この指導教官のポストを恐ろしく感じ始めたからだった(彼自体は何も恐ろしいことは言っていない。私が勝手に恐ろしがっているだけ。)彼は中東情勢に詳しいので、ちょうどカルロス・ゴーン氏のことをつぶやいていた。「レバノンは世界最大級の移民輸出国家。移民した先の国で経済的な成功をおさめたレバノン人というのは、国民にとって英雄のような憧れの存在として扱われる」というポスト内容だった。すいすいスワイプ。びっくりするくらい心臓、呼吸、手先、すべてが落ち着いている。パニック症状0だ。

  

一瞬だけ息が詰まったのは、DMをチェックするときだけ。一瞬、指導教官からメールがあるんじゃないか、何か怖いメールがあるんじゃないかと思ったけど、開いたら「恐ろしいメール」なるものは1通も来ていなかった。ほとんど全てが友人からのもの。そのうちのひとつは大学時代の仲良しグループのチャットで、facebookをチェックできていない9ヶ月の間にひとり出産していた。友人とコミュニケーションをとることもこの9ヶ月逃避してきたことだから、「逃避の逆をやろう」という気持ちですぐに返信を書いた。「出産お疲れ様!」とコメントしたら「もう半年以上前だよ!笑」と即レス。

 

他にも、今日本に住んでいる香港人の友からも連絡が来ていた。彼女のことは容疑者引き渡し法案を巡って香港の情勢が激化したときから常に気がかりだったから、「あなたは元気にしているのか?」とそのことを尋ねた。

 

 

 

この時点で、だいぶ泣いていた。6年前までは普通にできていた友人たちとのコミュニケーション。ああ、そうだ。人生ってこんな感じだった、facebookってこんな感じだったって懐かしさが一気に流れ込んできた。

 

検索欄にホストファミリーの名前を入れる。なんや、お父さんめちゃくちゃ元気やんけ。一ミリも変わってないやんけ。背筋ピンシャンで、男前のままやんけ。なんや、お父さん生きてたやん。また号泣。この半年間、本当にお父さんになにかあったらと勝手に悪い方向に妄想して心配になっていたんだもの。

 

 

想像していた以上に、私が引きこもっているあいだも世界はふつーーーーに回っていたんだということを実感した。ふつーーーーに回っていて、みんなふつーーーーに色んなことをしていた。なんだ、私の頭のなかが不安で押しつぶされそうなときも、頭の外の世界はこんな風に何も変わらずに回っていたんだ。

 

呼吸が荒れそうなときは、それに気づいて呼吸に集中する。マインドフルネスを自然に活用できていたように思う。できるだけ長く不快感に滞在することが効果的なエクスポージャーになるらしいので(少なくともパニック反応が治るまではuncomfortableに居続けるのがセオリーのよう)、facebookを5時間くらい開きっぱなしにしておいた。タイムラインをなんども上下にスワイプ。「外界の空気」を少しでも吸い込もうとした。

 

うつから良くなっていくときも洗脳が解けたような気がしてたけど、今も洗脳が解けそうな感覚だ。こ、こういうのもエクスポージャーの効果、と呼んでいいんでしょうか?

 

 私の「頭の中の世界の在り方」と実際の「外の世界の在り方」。その2つのルールが全然違うことがもっと実感として確信できたら、なんだかそれが不安障害の大きなブレイクスルーになりそうな気がする。私なんていなくても世界は回るんだから、私も罪悪感を抱いたり過去にとらわれたりせず、もっと自由に生きてもいいんじゃないか。そんなポジティブ気分がふつふつと。

 

ひとつだけ確かなことは、今のところパニックを起こさずにいられているのは、本当にACTセラピー本のおかげだということ。

 

あの本を指示通りゆっくりと読み進めていったことが、私は不安障害を持ったままでも行動できるはずだ、パニックになってもマインドフルアクセプタンスで落ち着けられる、という根拠の源になっている。あの本なしで今回のエクスポージャーは絶対に成立しなかったし、急いで読み進めてもこんな風に自力にはなってなかったんじゃないか。

  

5日

昨日から一転、起きた瞬間から不安。胸の下あたりがぽっかり空洞のよう。右胸はダークなものが詰まっているような感覚。呼吸不規則。少し意識して深呼吸。脈拍が少々早い。食道も詰まってる感あるな。でも大丈夫、私は不安を受容できる。症状に対しては優しい好奇心を持って。

 

1:15PM。昨日DMを送った香港人の友からFBに返信が来ていないかチェック。開く瞬間、少し息がゼェゼェなった。タールニコチン吸い込んでる感じ。

 

---から連絡が来た!めっちゃうれしー!
あなたの状況がちゃんと分かる!
無理しないでくださいね! Only write back when you feel like it! Don’t feel compelled to reply me! I totally understand your situation dear! so are you in Japan or --- now? Happy New Year ---! May 2020 bring you good health and loads of happiness! Love you! I really do! My heart cringes when you told me you are suffering from anxiety disorder! I know you must be going through a very tough time! Hope that you will recover soon!

 

愛してるって。本心だって知ってるで。ありがとう。私もあなたのことをとても大切に思っているよ。

 

10:28。午後6時から4時間ほど、うつっぽくなってる。久しぶりに重力感じますわー頭すら持ち上げられませんわ。不安はない。不安な思考も身体反応もない代わりに、ただただ頭が重い。

 

11:29、ああもうこれ体?脳?の反乱だよ。よくあるんだ。ストレスもあるし、不安もあるし、変化も怖いんだよな。今日はヨガやって寝ようね。きっと明日は今日より良い日だ。

 

だいじょうぶ。だいじょうぶ!

 

 

 

*1:本人証明が面倒くさそうだったので、今はやらないことにした。